投扇興とは?

投扇興(とうせんきょう)とは、「蝶」という的を「枕」と呼ばれる台の上に置き、開いた扇子を投げて的を落とし、点数を競う競技です。

投扇興の起源と歴史

投扇興は今から250年ほど昔、江戸時代中期の安永2年(1773年)に京都ではじまったと考えられています。
中国発祥の投壺( とうこ) という壺に矢を投げ入れる遊戯をより手軽に楽しめるものとして考案されまた。
瞬く間にブームが起こり、江戸の町には投扇興を遊べる店も出現したそうです。
しかし、賭けごとの横行により幕府から禁止令が出された時期もありました。
庶民の間で大流行し、宮中で行われた記録も残る投扇興ですが、明治時代以降は花柳界など一部の人によって細々と行われるまでに、衰退していきました。
しかし、昭和後期頃から過去の文献を元に復刻され、投扇興を競技として大会も開催されるようになり、愛好家が世代を超えて楽しんでいます。

投扇興の道具について

江戸時代の文献に「枕の上に止まっている蝶へ向かって扇子を投げたら、蝶は飛び去り扇子が枕の上に残った」という話があり、的を蝶、台を枕と呼んでいます。

競技扇(扇子)

夏に使うあおぐ扇子より大きめですが、骨はたった8 本で重さは20 グラムにも満たない、専用の扇子を使用します。
※「競技扇」とは、日本投扇興連盟が定めた基準を満たす、競技用扇子を指します。

蝶(的)

初期の蝶は文銭を和紙で包んだものでしたが、蝶々の形やイチョウの葉の形で左右に鈴を垂らしたものに変わり、現代では文銭の代わりに五円玉が使われています。

枕(台)

投扇興発祥当時の枕は木製だったことから、台は木の箱になっています。綺麗な絵が描かれることが多いことから、枕の箱面を扇子が打ち付けると減点になります。